講演会レポート

講演会レポート

佐賀県が推進する「もの恋プロジェクト」では、ものづくりの魅力を若い世代に伝え、就職に役立ててもらおうと、県内の各工業系高校で講演会を行っています。1月23日は多久高校に、犬型ロボットAIBOを開発した大槻正さんをお迎えしました。AIやロボットの登場により、私たちの暮らしや働き方が大きく変わろうとしている時代に、必要な知識と心構えを教えていただきました。 取材年月:2018年1月

演題
AIBO開発者が語るモノ作り~ロボット開発と人工知能~

講演会レポート

第4次産業革命

ヒト型ロボット「Pepper」に人工知能を活用した顔認証技術を導入し、接客・警備ロボットとして活躍する「UNIBOT」 世界は今、大きな変革の時代を迎えています。「IoT(モノのインターネット)」によりあらゆる情報がデータ化されてインターネットでやり取りできます。そこから集まった多種大量の「ビッグデータ」が保存され、「人工知能(AI)」が分析・学習することで機械が自律的に動くようになり、「ロボット」として実用化されていくのです。こうした動きは「第4次産業革命」とも呼ばれ、私たちの暮らしから働き方まで劇的な変化をもたらしています。
とりわけAIの開発は大きく注目され、アメリカではすでに株取引の約8割をAIが担うなど、金融・医療・自動車運転などの分野で活用が進んでいます。今年発売された最新の犬型ロボット「aibo(アイボ)」は、AIにより自ら学習して成長する過程が楽しめるようになりました。今後ますます処理能力やデータ容量、ネットワークのスピードが上がることにより、さらに進化するでしょう。

ヒントは現場に

ユニボット株式会社 大槻さん講演 日本は今、少子高齢化や労働者不足、インフラの老朽化など、さまざまな問題を抱えています。これらの課題を解決し、将来の日本社会を支えるのは、ロボットかもしれません
今までは製造現場で使う「産業用ロボット」が中心で、日本での生産額は世界一です。また、被災地や宇宙など特殊な環境で、人に代わって作業する「フィールドロボット」も開発が進んでいます。
今後もっとも成長が期待されるのは、生活空間で役立つ「サービスロボット」です。もうすでにお掃除ロボットが活躍していますが、介護や自立の支援をするロボットなども出てくるでしょう。
ロボットを動かすためには電気・機械から通信、画像・音声認識、ソフトウェアまで、ありとあらゆる技術が必要です。皆さんが今、学んでいる分野が、ロボット開発で生きてくることもあるはず。ものづくりの現場には、新しいものが生まれるヒントがたくさんあります。ものづくりの本質を見極めながら、積極的に挑戦してください。

生徒たちの感想

  • 生徒01 (工業技術系列3年)
    生徒01 卒業後は大学に進学し、情報工学やプログラミングを学ぶので、今日の話は大いに参考になった。将来はコンピューター関係の仕事に就きたい。AIを研究して、社会に貢献するのが夢。
  • 生徒02 (マルチメディア系列2年)
    生徒02 授業で学ぶことが社会でどう活用されているかが分かり、興味深かった。中学から吹奏楽部に所属し、音響関係に興味がある。音楽にAIを生かし、暮らしを楽しくできればいいと思う。
  • 生徒03 (工業技術系列2年)
    生徒03 AIがもうすでに私たちの生活の中で活用されていることに驚いた。卒業後は半導体関係の企業に就職したい。より良いAIを開発し、介護ロボットなど人の役に立つものを提供できれば。
プロフィール
大槻 正
ユニボット株式会社 代表取締役 大槻 正(おおつき・ただし) 1948年生まれ。1972年静岡大学工学部を卒業後、ソニー(株)に入社。音楽用CD、パソコンの光磁気ディスク(MO)などを開発し、エンタテインメントロボット「AIBO」の開発・事業化の責任者も務める。2014~16年新エネルギー・産業技術総合開発機構で、ロボットと人工知能の国家技術戦略を企画・策定。2016~17年ユニティガードシステム(株)で警備ロボットを開発。2018年1月からユニボット(株)を設立し、ロボット開発に従事する。
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